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武藤俊憲

片山晋呉インビテーショナルネスレ日本マッチプレー選手権レクサス杯

主な戦歴

年度 トーナメント  
2015
ISPSハンダグローバルカップ
優勝
2012
関西オープンゴルフ選手権競技
優勝
2011
ダンロップフェニックストーナメント
優勝
2009
レクサス選手権
優勝
2008
コカ・コーラ東海クラシック
優勝
2006
マンシングウェアオープンKBSカップ
優勝

ISPSハンダグローバルカップ

記念すべき初代チャンピオンは武藤俊憲

最終日は主催者の意向にみごとに添った優勝争いになった。今年新たに誕生した「ISPSハンダグローバルカップ」の大会趣旨はまず「チャリティーを進化させ、スポーツの力で社会をよりよく」。そして、もうひとつの柱が、タイトルにもあるように、「世界に通じるグローバルなゴルフトーナメントを!」。
その狙いどおりに、豪州、フィリピン、ニュージーランド。イングランドに南アフリカ・・・。さまざまな国旗がたなびく最終日となった。各国の選手が抜きつ抜かれつ。まさにグローバルなV争いの最後に、いよいよ頂点に立ったのは、日本のサムライ。
「表彰式は、日本の最上級の礼装で」と、紋付き袴姿で現れた半田晴久・大会会長は、マスターズのグリーンジャケットに対抗(?!)して“グリーン・羽織”を用意して、優勝副賞の地元産の米俵一俵を、年貢よろしく勝者に捧げて「お代官様・・・!」とコントのように仰ぎ奉りたかったようだが、その栄誉に預かったのは、代官様とはちょっと違って、かつて「物言わぬサムライ」と言われた男。
水シャワーの手荒い祝福で、「目が覚めたやろう?!」と、お祝いに駆けつけた谷口徹。武藤によく言っていたものだ。「プロは謙虚なだけじゃダメ。思ったことを素直に、明日はオレが勝つとか。もっと自分を出していけ」。デビュー当時は師匠もじれったくなるほど口べたで、礼儀正しい男であった。
今や、そこに日本を代表するトッププロの風格も備わって、お祝いの小道具として半田会長から差し出された黄金の扇子など、主催者が用意した和風な表彰式にも、もっともふさわしい男が初代のチャンピオンに輝いた。
国際色豊かなV争いの中にあっても、この日の最終組は同級生との“群馬対決”。「東と、俺たち日本人の誰かが勝てればいいなって、話していた」。武藤が、日本男児の意地を見せた。「勝てて良かった」とサムライが、初めて見せた男の涙・・・。
3年ぶりのツアー通算6勝目は、「生みの苦しみ」。一時は首位に6人が並ぶなど、大混戦となった。首位がめまぐるしく入れ替わる中で「バーディ欲しくて。狙っていったらボギーになるし」。
じりじりと次のチャンスを待った。フィリピンのアンジェロ・キューが、通算14アンダーでいち抜けた。「16番で、それを知って」。専属キャディの小田亨さんと話した。
「ここからあと2つ取ろう、と」。サムライに、二言はなかった。有言実行の上がりの3ホールはまず16番で、ねじ込んだ。「奥から20メートルもの下りのフック。きれいに入ってくれた」と次の17番は、夢中でパーを拾い、迎えた18番は左からの5メートルが決まった。
追いついた。キューと、自身初のプレーオフに持ち込んだ。1ホール目の2打目は「ギャンブルといえば、ギャンブル」。左の林の奥からの2打目。睨んだ先は、わずか半径2メートルほどの木と木の隙間。「ここまで来たら、あとは勝つか負けるか。あそこに抜かないと勝てない。自分を信じて打った。勝負したのが、2ホール目につながった」と、渾身のパーセーブで応戦すると、ついに2メートルのバーディパットが嬉しいウィニングパットになった。
これまでの5勝でも、見せなかった涙。ケガに泣いた昨年。試合中にコースの窪地に足を取られて靱帯断裂。どうにか手術は免れたが、「これで自分は終わりかもしれない」。懸命のリハビリは、そんな恐怖との戦いでもあった。
それだけに、その最中の娘の無邪気なおねだりが、胸に堪えた。6歳になる次女の亜耶(あや)ちゃん。「今まで5つも勝てたんだから。6個目も出来るよね?」。なかなか娘の願いを叶えてやれない心苦しさ。「パパは何で勝ってくれないの」と、聞かれて答えられない不甲斐なさ。
「子どもの一言は重かった」。
待ちわびた家族に、やっと6つめの勝ち星を捧げたお父さん。各国の強豪を従えればなおさら胸を張って、報告出来る。「今週だけは、イアンよりも上手かったと。そこは、自信を持っていい」。
ポールターや、シュワーツェル。ダフナーにセンデン。武藤がプレーオフで制したキューも、最終的には今回、日本ツアーのファイナルQT31位の資格で出場権を取ったが当初は、アジアンツアーからの推薦として候補にあがっていた選手であった。
半田・大会会長が、この第1回大会を開催するにあたって、
世界6大ツアーを代表する選手たちをここ、山梨県のヴィンテージゴルフ倶楽部に集結させたのは、今大会において世界ランクの加算ポイントを上げて大会の価値をいっそう高めるためだった。
半田会長によるとこの1勝は国内ツアーとしては、公式戦の日本オープンに次ぐポイントの高さになる見込みであるという。そんな記念の大会で、日本ツアーの選手が初代チャンピオンに輝いた主催者の喜びようは、半田会長の表彰スピーチが、20分あまりに及んだことでも十分に窺えた。
 「日本にも、こんな選手がいるんだ、と。世界にアピール出来たことが嬉しい」と武藤。今年、3人目の日本人覇者に輝いたことで、どうにか現状を打破したい欲求も出てきた。
強い者が勝つ。その現実は承知しているし、共に日本ツアーで戦っている限り、誰がどこの国の選手と区別するつもりはない。それでも、武藤が日本選手を代表する身としてなお気になるのは現在、賞金ランクの上位5人を、外国人選手に独占されていることだ。
「僕らもそこにきっちりと、割り込んでいかなければいけない」。その自覚を新たにした1勝となった。「やるからには、トップになってやろうと思ってやらないとしょうがない。しっかりと、積み重ねていって、賞金王になれたらいい」。まだツアーは中盤戦にさしかかったばかりで、早々に初の戴冠も視野に入れた。
Position Score Player Today Hole 1 2 3 4 Total Share
1 -14 武藤 俊憲 -3 FIN 68 68 66 68 270 ¥20,000,000
「(一社)日本ゴルフツアー機構のHPより引用」 (一社)日本ゴルフツアー機構へのリンク

関西オープンゴルフ選手権競技

武藤俊憲プロが完全優勝でツアー5勝目

ガッツポーズは自然と小さく控えめになった。「さすがに出来ないでしょう、おっきいのは」と、苦笑した。タイで迎えた18番は、奥から4メートルのバーディで逃げ切って、一見すると劇的幕切れ。「楽しんでいただけたのでは」と大接戦のクライマックスは、酷暑の観戦を強いたギャラリーのみなさんにはスリル満点の展開で報いたとしても、本人としては、「やってはいけないことが重なった」。
手放しで喜ぶことは出来ない。「勝ちはしたけど、危なっかしすぎる。反省点も多すぎる」。
自身初の完全優勝にも「達成感はないです」と、不完全燃焼の1日だった。
辛勝のツアー通算5勝目は、「自分で首を締めましたので」。
2打差の首位で出た最終日は一時、2位に3打差をつけるなど、圧勝ムードもそれを自ら打ち消した。
13番パー3は「ちゃんとメモを見て打てば、ああいうことにはならない」。冷静さを欠いたというティショットはカラーから20メートルものバーディトライで3打を要し、14番も「攻めた結果」とはいえ闇雲にピンを狙って奥に外し、15番は「神様の試練」。
2メートルのパーパットがスパイクマークに蹴られて、3連続ボギーを打った。金亨成(キムヒョンソン)に追いつかれて、やにわにゲームは混戦模様になった。
「でもまだ抜かれてはいない。もう一度ここから」と、気持ちを入れ直したという16番で2メートルのパーセーブも、最後の18番は、右のラフから距離もスピン量も、計算し尽くされたサンドウェッジでの絶妙な寄せも、13番からの“失態”を帳消しには出来ない。
前日3日目に、師匠から受け取ったメールがまるで、この日を予言していたようだ。「完全優勝は難しいやろう?」。
5月の日本プロで、やはり自身も完全Vを飾った谷口徹の言葉にも納得の苦しい1日。
これまで4勝のうち、3勝が逆転Vの武藤にはなおさら、「僕は後ろからまくって勝つほうが、よほど楽だな」というのが実感だ。
「打ちたいところに打てていない。パットの課題もクリア出来ていない」と、勝ってなお反省が止まらないのは、世界の舞台を見据えているから。
「今日のゴルフでは、向こうで絶対に勝てない」。打ちのめされて帰国したのは2週前。WGC「ブリヂストン招待」で、山盛りの課題を持ち帰った。「高さ、曲げ幅。スピン量」。あらゆる技量を問われる。応えられなければ「なんだこんなことも出来ないのか、とコースに振り落とされる」。容赦なくはねつけられて悔しくて、帰って練習場に張り付いた。クラブも総取り替えをした。世界で認められたいと、本気になった。
先月の全英オープンでは、確かな手応えもあったのだ。最終日こそ崩れたが、初日は6位と上々の滑り出しに、「クラレットジャグにも届きそうと感じた」。大会伝統の優勝杯が、見えかけたと武藤は言った。
「僕でも手が届きそうだと思えたんです。だけど、届かないあと1、2センチを、これからどう詰めていくか。しばらくは、自分を世界という大きなくくりの中に入れて、考えなくてはいけない」。
いずれも最高峰の舞台で希望と失望を、月替わりで味わったことで、なおさら火がついた。世界進出に向けて、本格的に模索を始めた矢先だった。
アメリカで「ハイ、ムトウ」と、名指しで挨拶してくれたのはフィル・ミケルソンだ。「その週、ロッカーが隣ということもあったけど、僕の何かしらを見て言ってくれたのだと感じた」。
サイン攻めにあった地元のギャラリーにも、口々に「全英オープンでは惜しかったね、と。見ている人は見てくれているし、評価してくれている。嬉しかった」と振り返る。
「あのときの“ムトウ”だ」と、一人でも多く言ってもらえるように。「メジャーに行って、“はい予選落ちです”“予選通ったけど50何位です”じゃあ、よろしくない」と、自分にムチ打つ。
「選手が集まったときに、あいつは日本で何勝したのか、という話になる。次にまた向こうに行ったときに、日本で何勝のムトウだと言ってもらえるように」。
次の遠征までに可能なだけ勝ち星を重ね、また胸を張って世界に出て行きたいのだ。
そのためにも「まだまだ。これで満足してちゃダメ。藤田さんも、谷口さんも頑張ってくれているのに、僕ら世代に元気がない。頑張らないと」。
34歳には反省しきりのツアー通算5勝目になった。ここ関西での1勝を、世界へと羽ばたく糧とする。
Position Score Player Today Hole 1 2 3 4 Total Share
1 -18 武藤 俊憲 -2 FIN 64 65 68 69 266 ¥12,000,000
「(一社)日本ゴルフツアー機構のHPより引用」 (一社)日本ゴルフツアー機構へのリンク
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